実は、、ずっと、その後を気にしている患者さん(?)がいます。
開業して間もない頃に
単に、インフルエンザ予防接種に来られただけの人なので、患者さん、と、言っていいのかわかりませんが。
当時、彼は、高校3年生、中学生の弟を伴って、2人でのインフルエンザ予防接種でした。
その大人びた雰囲気、弟にとっては、ほとんど、父親然とした態度。
あぁ、これは、ひとり親の子どもさんだと、すぐにわかりました。
二人とも未成年ですから、少し、家庭環境なども聞き取りをしたんですが、
やはり、幼少時に父親が亡くなったということで、お兄ちゃんは、ずっと母親を支え、弟の面倒をみて、ここまで過ごしてきたようで、高校も公立のトップ進学校に進学していて、年明けに大学受験ということでした。
あぁ、母親と、弟にとっては、頼りになる息子であり、お兄ちゃんなんだろうなぁ・・・。
そして、本人も、本当にここまで、気をはって、頑張って、生きてきたんだろうな。
本当に、人間として、あるべき姿を実現していける素晴らしい子なんだろうな。
でも、おそらく、親御さんにしたら、そのりっぱさが、切なくなる日もあるだろうと思うと
心から、
彼の人生がこの先も素晴らしいものでありますように
彼自身が自分自身をゆっくりみつめれるような日がきますように
と、今も祈ってます。
その時、大学受験に向けてのエールとして、インフルエンザ予防接種、無料にしてあげたかったんですが、彼にそう伝えると、そんな同情のようなことはかえってプライドを傷つけるかと思って、迷って、接種料金は払ってもらったんですが・・・今でも、あれは、当院でもてばよかった、彼のプライドを傷つけず、本当の好意と受け取ってもらえるような言い方がなかったかな、とか、ずっと思ってます。
その後、希望の進学先で頑張っててくれれば、すごくうれしいんですが。