金曜に決断🏥土曜に受診(救急医療)

休日・夜間救急診療所に医師会からの派遣当番でいってきました。(もちろん、担当は、内科です)

 

☆1か月前から血圧が高くて頭が痛いから来ました

☆2週間前に転倒して、そこから胸部が痛いから来ました

☆2-3日前から腹痛があったのですが、やはり吐き気と腹痛があってつらいので来ました

 

これらの方々に、言いたいのは、なんで、金曜日には決断して、土曜の普通の診療時間内の病状に適応のある医療機関を受診しなかったのか?ということです。

もちろん、同伴の家人がいなかったから、仕事が忙しかったからなどの理由があるのでしょうけど、これらの方々が休日・夜間救急診療所を来られたのちは、結局は、月曜日以降に通常診療所の受診となります。

 

血圧が1か月高かった人って、緊急ですか?休日診療所は、土曜で2日、日曜で1日分しか処方できません。結局、月曜には、きちんと医療機関を受診してもらって診療を受けてもらうことになります。だったら、事前に、きちんとした時間帯に近くの医療機関を受診されていたらどうですか?

 

転倒して2週間我慢した人を、なんらか、緊急でしないといけないことはありますか?心電図で異常がなかったので、心臓関連の病気ではありません。おそらく、肋骨のひびか骨折です。もちろん、整形外科受診できないか、6か所の病院をあたりましたが、どこも<整形外科医はいません>でお断りです。最終的には、基幹病院の外科(当日は耳鼻科医当直)に、なんとか、胸部の画像検査、胸部バンドの装着をしてくれないかお願いしましたが、これって、医師の使命感搾取じゃないんですか?

 

腹痛の方は、炎症反応がすごく高いのですが、7.0以上 という検査結果しか得れません。(そこの施設の機械の問題ですが)。これって、10以上なのか、もっと上なのか、もう、わかりません。とりあえず、点滴と、応急処置的な加療内服2日分を処方開始しますが、これも、月曜日には、きちんと医療機関を受診してください、です。なんで、土曜の午前中に受診しておかないんだと、怒りが湧いてきます。

 

朝は元気だったのに、夕方いきなり39度の発熱、激しい悪寒で来院されたかた。

急な血尿で驚いて受診された方。

昼過ぎから急に激しい嘔吐に見舞われた方。

通常きちんと通院しているが、症状に不安を感じての受診。

 

もちろん、休日・夜間救急診療所の適応の方の来院もあるのですが、上記のような緊急性の乏しい方の受診もあって、医師や看護師、検査技師や事務の方、救急病院の先生に、必要以上に負担をかけている人がいることを考えて頂きたいのです。その上、患者さん自身も専門科の先生を受診したほどの成果は得れません。

 

週末の救急医療というのは、非常に脆弱です。

これまでも、何度も書いてきましたが、救急担当医が疾患対応していなければ、当たり前に断られます。

疾患対応できる科の先生が当直されていても、機材や人員の確保ができていないことを理由に断られるのも珍しくありません。

本当に、受け入れ先がないのです。これは、救急車を呼んだところで、一から、受け入れ先を救命救急士が探すわけですから、30か所、40か所に受け入れ拒否をされて、何時間も自宅前で立ち往生というのは、嘘じゃないんです。

 

その点、地域の医療機関を受診されていれば、土曜であっても診療時間内はもちろん初期対応はしますし、地域の大きな病院の地域連携で、どこに、どんな先生がいて、どのレベルの患者さんなら土曜でも引き受けてくれるのかわかるうえに、病院の地域連携室が開いているので、なんとか、対応できる先生がいないか、院内を探してくれたりもします。

 

もっと、みなさんに、救急医療が、すごく脆弱な状況にあることを知って頂きたいです。

コロナに関係なく、救急医療は崩壊しているというイメージをもっともってほしい。

もしかして、いま心配な体調が、週末にひどくなったら、受診できないかもしれないということをわかってほしい。

でも、通常診療をやっている時間内に医療機関を受診しておけば、十分な手厚い精査や加療、高次病院への連携もできることを知っていてほしいのです。

 

自分を守るのは、国でも、医療機関でも、医療従事者でもない。あなた自身の早い決断と行動です。