脂質異常症の勉強会に参加してきました

ここしばらく、脂質異常症のトピック(新しい治療法や、治療ガイドラインの改定など)がなかったので、勉強会も減っていましたが、久しぶりに<心筋梗塞の発症とリスク管理のための積極的脂質低下療法>という興味をそそられる勉強会があったので、参加してきました。

 

講演を聞きながら、患者さんの5年後、10年後、20年後の未来を守るための当院のコントロール目標は、まったく間違っていなかった(というか、推奨されるコントロール目標ばっちりだった)と、安堵しました。

そして、心臓・血管系にすでに脂質異常による合併症をだした方には、通常よりもさらに厳重な目標があるのは知っていたのですが、そこの枠に<糖尿病>が含まれていたことにびっくりしました。

心筋梗塞を起こした方に対して行う治療と同等の治療を糖尿病の方にも行うこと・・・・と・・・・え?・・・という感じです。

 

思わず<糖尿病のコントロールもきちんとできている、糖尿病合併症のない患者さんもですか?>と、質問してしまいました。

 

お答えは<イエス>です。

 

なぜなら、脂質異常症の方は、<血管内にコレステロールの塊を作って、これが、血管内を詰まらせたり、血管をもろくしたりするわけ>なのですが、<糖尿病の方は、日常的にインシュリンをたくさん体内で放出していて、インシュリンが、コレステロールの塊をさらに早く大きくする作用があるから>なのだそうなんです。

だから、コレステロールの塊を作らないように、かなりかなり脂質管理を厳重にする必要性があるということでした。

糖尿病・・・恐るべし。

 

当院では使いたくても、適応が厳しすぎてなかなか使うことのできない脂質異常症のお薬も、大病院なら適応のある重症の方も多く、使用実績もすごくて、講演をききながら、さすがだなー、すごいなーとも思いました。お勉強させて頂きました。

 

当院に来られたら、<健診の先生には大丈夫と言われた>、<以前診てくれていた先生はこんな厳しい値をおっしゃってなかった>、と、言われることがあるのですが、当院は最新の知見をもってコントロールの基準を患者さんにお伝えしております。どうぞご理解のほどよろしくお願いします。