患者さんを論破できないって、つらい・・・

当院の患者さんは、現役世代で、しかも、会社でバリバリ活躍中の方も多く、しっかりとした理論でもって、納得して治療したいという方が、多く来られます。

 

医者として、当たり前に、病気がおこる理由、薬の効果、治療しなかった場合の合併症などを一通り患者さんに説明するわけですが、長い時間をかけて説明しても、どうしても、論破しきれない患者さん、という方がおられます。

 

だいたい、これは、<高血圧症>で、起こります。

血圧は、変動しますので、正常値のときもあるのに、なぜ、たかいときだけをみて、治療、治療というのか?

 

血管年齢をお示しして、動脈硬化の度合いをご説明しても、これは、毎月やっても、同じ数字がでるほど、正確なのか?(保険適応で認められているのは、1年1回だけです)と、問われると、その再現性は、かなりむつかしい。(血圧の圧変化によって判定するからです)

 

高血圧で、再現性が確かなほどのデータ・・・・それは、心電図と心エコー(心臓への負荷をチェック)です。

ですので、高血圧症で治療に同意して頂けない方には、循環器科の受診をお勧めすることにしました。

 

内科医は、患者さんに納得して頂いて、日常生活改善、内服治療に応じてもらってこその仕事です。

しかも、症状や合併症の自覚がないうちから始めてもらわないと意味がない。

 

あの手、この手、いろんな工夫をしながら、患者さんに納得して頂き、ひとりでも、<先生の提案を聞いておけば、こんなことにならなかったのに・・・・>という方をださないようにしたい。根気よく、頑張っていきます。