この3年半、コロナ禍で、スタッフさんの緊張・感染対策での疲弊もひどく、受付さんにも、看護師さんにも、そつなく仕事をスムーズに進めること以上の指導は行ってきませんでした。
ですので、嫌な印象、仕事が滞っている印象はないにしても、温かい対応、癒される対応まではできてなかったと、院長自身もわかってはいましたが、そこは、どうぞ、ご理解とご容赦を頂きたいと思います。
しかし、本年5月8日より、コロナにかかわる公費・指定機関対応は一切なくなり、まったくをもって、コロナ禍以前の診療体制が、全国にもどってきます。
そのことを踏まえ、スタッフに、当院のあるべきスタッフ像について、指導を始動(シャレじゃないです)しました。
私が掲げているスタッフ像は、ひざまづくとか、<様>呼びをするとか、そんなことではなく、受診してよかった、その思いをもってかえって頂けるような対応をする、この1点です。
実は、医療機関において、医師とかかわる時間というのは、受診において、一番短いです。
受付さんは、受診したときの第一印象をきめる、大事な部署です。
看護師さんは、患者さんの苦しみ、不安に和らげる大事な存在です。
ソツなく仕事をこなすだけではだめなんだ、ということを、伝え、患者さんが満たされる医療とは、を、考えてほしい、と、いま、伝えています。
それは、無茶苦茶をいってくる患者さんの要求を聞くようなことでは当然ありません。
なんでも、希望をきくというのでもありません。
それは、例えば、
10代、20代の発熱患者さんが受診するということは、よほどしんどいか、とっても不安な思いで受診しているはずです。
30代、40代、まだ、お若い方が慢性疾患で通院されるということは、高い意識で通院されています。
50代、60代、会社や家庭では、人生の達成感を感じている時期で、加齢性変化による慢性疾患の治療は、ちょっとがっくりで受けいれがたいところもあるでしょう。
そんな方々が、面倒だけど、不安だったけど、来てよかったと思ってもらえる医療機関が、当院である、そう思ってもらえるためには、どんな言葉かけが、対応が必要か、常々考えて行動してほしいという指導を再開しました。
それは、スタッフさん自身の長い人生においても、<選ばれる職員でいる>というトレーニングにもなるはずで、生涯身を支える<スキル>になるはずです。
では、具体的に、どんなことでしょう・・・・。
これは、医療的なことをいうと、<先生の言ったとおりにやればいい>になってしまうので、一般的な例で、伝えました。
例えば、幾多、スーパーのレジで会計、ポイント付与をしているわけだけれども、スギ薬局で1回、ライフで1回きりだけれども
<ポイント有効期限がきれそうですけど、大丈夫ですか?>と声をかけてもらったことがある。
そんな小さな一言だけど、めちゃくちゃうれしかった、なんて気の利いたスタッフさんかと思った。
サイゼリアで、これまで、チキンステーキを何度も食べてきたけど、いつも、皮が嫌いだからよけていたけど、そうすると、焦げ目のおいしいところをはずすことになるから、なんだかなぁと思いつつ食べていたけど、たったひとり、<皮はお嫌いですか?皮を外して焼くこともできますから、今度から声をかけてくださいね>と言ってくれたスタッフさんがいた。
こんな風に、ただ、小さな一言だけど、相手を思いやれば、相手を観察すれば、自然とでてくるやさしさ、そういう心ある対応を心掛けてほしい、と、伝えています。
みなさんにお願いですが、しんどいなか、忙しいなかではありますが、もしも、当院のスタッフの言葉が、対応が心にしみる、のこることがあれば、ぜひ、その場で、<ありがとう><ほっとした>そんな言葉をかけてやってください。
それが、スタッフさんたちの、達成感、よろこびになり、好循環となっていきます。
こんな、当院が当院らしくある、2019年末まで、確かに培っていた当院らしさが戻ってくることに、喜びと安堵を噛みしめています。
よろしくお願いします。