みなさんが思うよりも、日本の医療経済状況は、とんでもなく先細り、かつ、お金がないです。
それは、もう、ここしばらくで、開業医(医療経済に直結して診療しているから)は実感しています。
保険診療は、この疾患には、この治療をここまではしてもよい、ここまで検査をしてよい、というのが決まっています。
でも、グレーゾーンってあるんです。
確かに、この疾患にはここまでの治療とわかっている、検査はここまでとわかっている。
でも、あまりに症状やデータが悪すぎるので、この治療を追加した、この検査を追加した。
これが、本当に医療的に必要か、保険での支払いの対象となるか、を、保険協会は査定をしているわけなんです。医者なら、わかる、これは、もう、仕方ないよね、その治療、検査は必要と思われる。通します、と。
ところが、これまで当たりまえに通っていた内容が、ものすごい勢いで査定対象になって、支払いからはじかれています。えぇ、じゃ、患者さんが苦しむことがわかっていても、この治療をするなということ?検査をするなということなの?と、医者の間の動揺は、ものすごいです。そんな患者さんの姿をみたくなくて、一生懸命勉強して、医療を提供しているわけですから。
医療というのは、基本の治療・検査というのがあって、そのうえで、医師がいろんな経験をしながら、ケースバイケースで、検査の追加、治療の追加・変更を行っていきます。本当に、それぞれの個体(患者さん)によって、同じ病気でも、症状の出方、治療への反応は千差万別!です。それを見極めていくのが<人間の医師>の仕事です。
当院は、電子カルテが、病名と検査と薬に整合性があるかチェックして、それをさらにこのチェックを専門とするプロスタッフを雇っていて、しかも、2人雇って、一人ずつにその月に提出するすべての保険請求をチェックをしてもらっているんです。
つまりは、機械の目、人間の目、で、合計3回、目を通してもらって、保険請求をかけているんです。
それでも、査定に、これまででは信じられないほどかかってきます。
何が起こっているかというと、この査定を、最近は、AIが行っている(という噂)。納得。
つまりは、もう、グレーゾーンは一切、認めない。保険(国)が認めた規定をしっかりと順守してもらうということなんですね。
じゃ、患者さんの病状をみての医者の裁量というものは????となりますよね。
それは、必要ない、という方向です。
つまり、どうなるかというと、保険診療以外で必要と思うなら、患者さんに自費でもってもらいなさい、ということです。
簡単な例でいうと、神経痛、皮疹が、もう症状としてしっかりとでた帯状疱疹の患者さんが来院したとします。
帯状疱疹の神経痛は、いかに早く、しっかりと治療するかで、痛みが残存するか、しないかがわかれる早期治療判断がものすごく大事なところなんです。
本来、内服だけが治療対象ですが、あまりの症状のひどさに、一度だけ、抗ウイルス剤の点滴を使用したとします。
これは、査定対象です。これまでなら、ほとんどの患者さんは内服治療をしていて、月に1人か、2人程度そういう患者さんがでるのは、あり得るよね、と、査定は通ってました。(全員に点滴していたら、やりすぎクリニック認定で通らない可能性はありますが)でも、今は、通りません。
痛みが残っても、それは、そこまでの症状になるまで受診しなかった患者さんが悪いよね。
帯状疱疹ワクチン、TVで宣伝してまで勧めているよね?予防接種していたの?してたらそこまでひどくなってないよね?予防をちゃんとしていなかった患者さんが悪いよね。
もしも、点滴まで必要なら、その分は、自己責任、患者さん自分で費用はもってね。
ということです。
この先は、これまで通りの医療を受けようと思うだけで、患者さんに自費をお願いする部分が増えてくると思います。(私見)
病気になった時の、医療格差を感じないためには、日常的な予防接種・健診(一般&癌)・早期治療、本気で取り組んでください。
自費診療は、100%患者さんもちです。本気で、高いです。