耳鼻科医からみた咳の治療の講演会

先日、耳鼻科医からみた咳治療の講演会にでてきました。

 

すごく新鮮でした。いかに後鼻漏(鼻水)をコントロールするかの視点からの話で、内科医にはびっくりすることばかりです。

 

特に、点鼻薬の使い分けについては、非常に有用な情報でした。

 

私は一般的なステロイド性の点鼻薬を処方しているのですが、自分でも、効かないなー、とは思っていました。そこで、自分に、血管収縮点鼻薬を使ったこともあるんですが、それが、ブシュ―!ととんでもなく扱いの難しい容器で、1回で断念して、ステロイド性の点鼻薬で、内服のレベルを(眠気を感じながら)あげて対処していました。

 

でも、これ、正しかったんです。

 

血管収縮性の点鼻薬って、長期投与してはいけないんですね。

 

実は、市販の点鼻薬って、即効性を目指して血管収縮性の点鼻薬が多くて、それを常用している患者さんが結構いる(当院で花粉症の薬を処方するときに、点鼻薬をお勧めすると、それは市販のが効くのでそちらを使う、という人が珍しくないので)のは、気付いていたのですが、下記、よく読んで、今後の使用に関してはご検討ください。

 

たくさんの耳鼻科の先生が、ブログでUPされているので参照にしてください。

<血管収縮性点鼻薬>で検索してください。

 

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血管収縮剤(交感神経刺激薬)の点鼻薬は、鼻づまりを最もよく改善させることができます。

実は、市販の鼻炎用点鼻薬のほとんどに、この血管収縮剤(交感神経刺激薬)が入っています。

 

しかし、鼻の粘膜の腫れが取れるのは、あくまで一時的なことで、しばらくして薬の効果がなくなり、使う頻度(一日の回数など)があがります。

 

ここに大きな落とし穴があるのです。それは、これを繰り返していると、血管収縮剤(交感神経刺激薬)を使って血管を収縮させても、以前のようには鼻づまりが取れなくなってしまうのです。そして、一旦このようになってしまった組織は、もう元に戻れなくなってしまいます。この状態を薬剤性鼻炎といいます。

 

すなわち、血管収縮剤(交感神経刺激薬)の連用によって、元々は単なるアレルギー性鼻炎だけの状態であったのが、アレルギー性鼻炎+薬剤性鼻炎 という、より重症の状態に変わってしまったわけです。

 

このような理由から、アレルギー性鼻炎のような慢性の鼻炎に対しては、原則として、血管収縮剤(交感神経刺激薬)は使用すべきでないと考えられます。

 

↑ 今回の講演会でも、血管収縮性の点鼻薬は、本当にひどい時、使っても10日まで、と、強くメッセージがありました。

 

血管収縮性の薬の入った市販の点鼻薬を使っていませんか?ご注意ください。

 

今回の講演では、血管収縮性の点鼻薬で鼻つまりがとれたら、即、ステロイド性に切り替えると、そのままの鼻つまりのない状況を維持できる、ということでした。