☆高機能な薬☆糖尿病

先日、高血圧の最新治療に関して、最新薬は、心不全・腎不全も予防する効果をもちながら降圧もする、というお話を書きましたが、糖尿病薬も最新薬はそういう機能をもっています。

 

高血圧の方の薬は、心不全治療薬として開発され、その降圧効果から、高血圧も適応になったのですが、糖尿病薬は逆で、血糖降下作用を重視して糖尿病薬として開発されたのですが、高い心不全予防・腎不全予防効果があるため、心不全・腎不全治療薬としての適応も追加されました。

 

この研究はすごくて、糖尿病薬を服用する人、プラセボ(効果のないただの錠剤)を服用する人にわけて試験をしたところ、あまりに糖尿病薬を服用する人の効果が良すぎて、プラセボ服用の人に人道的に問題がある(あまりに気の毒)ということで、研究が打ち切りになるほどの効果でした。

 

これまでのお薬は、降圧するだけ、血糖値を下げるだけ、その結果として、合併症を防げる、という感じでしたが、今のお薬は、積極的に心臓・腎臓に働きかけて重症化しないようにする機能を有しています。

 

お薬代はあがります。でも、腎不全で透析になる、心不全で日常生活が不自由になって入退院を繰り返す、そんな生活を遠ざけることができるなら、最新薬の意味は大きいと思っています。