どこかの大きな病院が、こんな外来をやってくれたらいいな、という
街のかかりつけ医としての意見です。
(ぜひとも、高次病院の地域連携室の人が読んでいてほしいと思う)
日常的な糖尿病診療はできても、専門的な検査になると他院や大きな病院の
受診となることになり、そうなると必要性を説明しても、患者さんから
<仕事の都合でいけない><家人の付き添いが頻回になって困ります>と
言われてしまう。
動脈硬化性血管病変に関しては、済生会中津病院が、受診当日一日で
各種精査から診断までつけてくれる特別な外来設定があり、受診を勧めた
患者さんから<1日で済むのであれば行きます>と快諾して頂くことが多く
そして受診された方から、利便性と結果説明までしてもらえて今後の方針が
しっかりとたったことに、安堵の喜びの声を聴くことになる。
受診費用に関しても、受診回数毎にかかる検査代以外の診察代は一度で済み
これも、患者さん負担の軽減につながる。
あぁ、いろんな精査が1日で済むなら、受けたいと思う人がこんなにもいるのだと
改めて、受診回数の多さの患者さんの負担をおもいやることになったという経緯も
ある。
糖尿病に関して、かかりつけ医から予約をすれば、朝から
①神経伝達測定
②眼科眼底検査
③腹部エコーを含む腎機能精査
④皮膚科によるフットチェック
⑤栄養指導
をしてくれて、最終、午後に、糖尿病科の先生がこれらの結果を
総括して患者さんに説明し、開業医に連絡をくれる。
確かに、これだと、1日休むだけで、糖尿病合併症をフルコンポ!でチェックでき
また、改めて、かかりつけ医が安心して、糖尿病診療を行うことができる。
なかなか①-⑤を、普通の一般内科開業で行うのは難しい。
(というか、当院で行うのは、現況では無理である)
開業医としても、その患者さんの糖尿病連携に関して、連絡先を一本化することができ
(いまだと、眼科・皮膚科・腎臓内科・必要があれば糖尿病科と、それぞれに
かかりつけ医が連絡をばらばらにとっている。)今後のトータルケアにとても
利便性が高い。
そして、この経験があれば、患者さんが、あぁ、糖尿病があるゆえに、こんなにいろんな
合併症がでる可能性があるのだなぁーという学習機会にもなる。
病気があるから、いろんなものを犠牲にして、受診しなさい、では、なかなか
糖尿病合併症チェックにまで、就業中の世代では、時間がとれないし、受診につながらない。
どうすれば、早期に合併症チェックができて手が打てるかの工夫を、医療を
提供する側も工夫が求められているように思う。
理解できない患者が悪い、説得できないかかりつけ医が悪い、というのではなく
本当に、医者自身も、自分たちがどれだけ仕事を休んで自分の体ケアができているか?
と考えれば、検査受診を容易にする試みに意味があることがわかってもらえる・・・・
のでは?と、思う。
糖尿病合併症スクリーニング外来。
できてほしーです。