風評被害・誤解というけれど・・・

コロナ関連病院スタッフに対する差別の記事をみるたびに、ものすごく、複雑な気持ちになります。

 

これだけ、コロナ患者さんを受け入れた病院で、医療スタッフに院内感染をだしておいて、誤解でも、なんでもないだろうと。

怖がる人が悪いんじゃなくて、怖がらせるような環境に医療スタッフを置いていることこそが、問題なんです。

そこが、まるで、スタッフに対して、怖いという気持ちをもつ人が悪いようなことをいうのは、すりかえです。

 

しっかりとした医療体制も整わないなかで、運び込まれるコロナ感染者に、どれだけの医療者が、<竹やりで、B29に立ち向かう>特攻隊となっていることか。

 

自衛隊中央病院に、ダイヤモンドプリンセスからの患者さんがたくさん運びこまれたのに、医療スタッフから感染者がでていない、ダイヤモンドプリンセンスのヘルプに向かった自衛隊員からも、感染が出ていない。

 

感染病の専門医たちが、<きちんとした感染予防をすれば、感染しない>というのは、本当だと、自衛隊のことをテレビでみるたびに、実感するけれでも、どれだけの病院が、自衛隊並みに教育と、対処物資と、施設内コントロールができるというのだろう。そこまで、強固な、組織力がある病院なんて、おそらく、存在しない。

 

せめて、十三市民病院には、自衛隊中央病院並みの、教育、物資が運び込まれ、院内エリア区分、組織力の再編成で院内感染をゼロで、職員を守り、本当に、<誤解だったね><風評被害で大変でしたね>と、後日、乗り切った先に、そう話せるようにしてほしい。

 

自分のできることは、ほんとに、生活習慣病患者さんの健康管理の徹底と、早期感冒症状の人へのしっかりとしたケアだと思います。それが、結局、コロナ治療にあたる先生がたの負担を少しでも助けることにつながれば。

 

自分が大学病院勤務の時もそうでしたけど、いきなり、突然、<とんでもない患者さんが振り当てられ、それを、大した装備や教育もないまま、医師としての使命感だけで、乗り切ることを求められる>という過酷な環境に放り込まれることがあって、当時のことを想うと、胸が締め付けられるのです。