遅刻された発熱患者さんをお断りしました

先日、発熱外来受診のお電話を頂き、来院時間をお約束しましたが、時間になっても来院されず、しばらく待った後に、当方からお電話したら、<あと、5分ほどで着きます>ということでしたが、来院された時点で受診をお断りして、発熱を受け入れてくれる病院を紹介しました。

 

なぜなら、発熱外来のために、当院は、その方だけのために隔離のお部屋をあけて用意し、患者さんの受診状況をコントロールし、スタッフさんの忙しさもコントロールし、準備をしているわけです。

しかも、来院時間も、どの程度の時間でこれるかもおうかがいして、無理のない設定としています。

 

こちらは、それだけの準備をしているわけですから、遅刻するのであれば<約束の時間に遅れます>と、当然連絡があるべきです。(どうなっているか電話したらつながるわけですから、連絡手段はお持ちのはずです)

こちらの状況がわからなくとも、きちんと来院時間が設定されているわけですから、遅れるのであれば、連絡があるべきなんですね。

 

今回、この方を受け入れてしまえば、<ひさこ内科は遅刻しても診てくれる>という実績になります。

次回、時間に遅れたことで診ないといえば<前回は診てくれたのに>という苦情にもなります。

 

日本の医療機関が苦しい状況にあるのは、医師の<できる限り診てあげたい>という使命感搾取によるといわれていて、無理して、無理して、時間外も、救急も診てきた結果、それが当たり前になって、自分たちで自分たちの首を絞めているといわれています。欧米では、時間に遅れた、とか、時間外は、絶対にみない、というルールが厳格化されていて、それが、患者さん自身に<症状が軽いうちに受診しておこう><時間内にいかないとやばい>ということにつながっているとも言われています。

 

えー、厳しすぎ、と、思われると思います。私も、厳しいと思います。しかし、先日、夜間・救急診療所勤務に当番でいって、あまりにも安易に、救急医療を受けれるという発想での来院に、心底、げんなりした、というのもあります。そして、そういう方の治療のために、専門でもない先生に、治療をお願いしないといけないという心苦しさも経験しました。

 

医療を受けるのであれば、患者さん側にも、思慮を求められる時代です。

それが、あなたの身を守ることにもなっていきます。

 

発熱外来を受診される際には、お約束の時間は厳守して頂くこと。

そして、もしも遅刻しそうであれば、事前にきちんと連絡を入れて頂くこと。

を、お願いしたいと思います。

 

今後は、時間をお知らせする際に<遅刻されたら、診れない場合があります>と、事前アナウンスを受付さんに指示しました。

当たり前のことなんですが、付け加える必要性を実感しました。