泣くな!は、正しいのか?

これ、以前も書いたことがあるかもしれないのですが、自分の中で、ずっと、ひっかかっていたことなんですが、なんとなく、自分で消化できた気がします。

 

研修医の時に、初めて、自分が受け持った患者さんのご臨終の場で、ご家族さんたちは、患者さんの死期が迫って覚悟はされていたとは思うんですが、患者さんの名前を呼んで号泣されていて、それをみて、耐えていた涙が、こぼれてしまいました。

 

そしたら、私についていた上級医に、<泣くな、こちらが何かミスしたと、勘ぐられるだろう>と、叱られちゃったんですよね。

 

えぇー。でも、初めてのことだったし、医療の現場とは、そういうものなのかと、素直に信じてしまったんです。

その後は、どんなときにも、ミスと思われたら困るし泣くまい、と、ぐっと、堪えることにしていました。

 

医師として、ずいぶんたったころに、そのことを母に話したら、<えぇ!!お母さんは、一緒に泣いてくれる先生の方が、寄り添ってくれたという思いで救われる>とのこと。まぁ、親子なので、感性が似ているのは当たり前なので、私もそう思うけど、本当は、どうなんだろう?と、ずっと、もんもんと、思い続けてきました。

 

でも、あの時、上級医が言いたかったことは、医師として毅然として、患者さん家族に不安をもたせるな、ということだったのかもしれませんね。今なら、なんとなくわかります。頼りない医者と思わせるような態度はとるな、ということだったのかもしれません。だったら、もう少し、言い方がね~~~~。でも、この解釈、きっと、あってると思います。だって、上級医、すごく、ちゃんとした尊敬できる先生だったので、保身のために言ったとは思えないので。

 

なんだか、すっきりしました。