医者にとって<つらいこと>

医者にとってつらいことは、もちろん、患者さんを救えていない、ことです。

 

血液検査は大丈夫、いろいろ精密検査をしても体は大丈夫、でも、<しんどい><つらい><食欲がない><生きているのがつらい、毎日、頑張って精一杯生きてる>という、訴えをされると、<なんとか、この人に、日々を楽しんでもらう、生を満喫してもらう>には、どうしたらよいかと、悩んでしまいます。

 

みなさんは、<それ、メンタルでしょ?メンタルクリニックに行ったらいいんでは?>と思われると思います。その通りです。でも、こういう訴えの方は、本当に、しんどいんですよ。メンタルクリニックにいく、診察を受ける、ということ自体へのハードルが、すごくしんどいことなんです。

 

この症状は、うつ状態なのか、認知症の出始めなのか、はたまた、ご本人のキャラクターなのか。そこを判断できるのは専門医。でも、受診につなげることができない。患者さんもつらいけど、診ている医師もつらいです。

 

気持ちの問題は、深みにはまる前に、なんかおかしいかな?と思うことが大事です。

 

なんだか気分がすぐれない、しらない間に涙がこぼれる、やる気がでない、という時には<頑張れない自分を責める>のではなく、自分自身のつらさを思いやってくださいね。自分のつらさを感知してあげれるのは、自分だけです。