さて、4つの検査の有効性を、例をあげて説明してみますね。
検査が必要と思われた例ですので、すべての方にこれだけの検査を
行っているわけではありませんので、誤解のないようにお願いします。
(当院受診された患者さんの例)
①のどの痛みを訴えた高熱の患者さんの場合
インフルエンザ検査と溶連菌検査を施行したところ、両方、陽性でした。
喉の痛みが強いことから、<溶連菌検査>だけをして陽性で、そのための抗生剤を
服用されていても、実はインフルエンザにも罹っているので<熱が下がらない><しんどい>
<治らない>ということになった症例だと思います。
季節柄と、インフルエンザ感染症は多彩な症状を起こすことから、この時期、
お熱があれば、インフルエンザ検査をはずすことは難しいです。
②家族に溶連菌感染症のいる喉の痛みや関節痛のある高熱の患者さんの場合
インフルエンザ検査と溶連菌検査を施行したところ、インフルエンザのみ、陽性でした。
しかし、もしかしたら、溶連菌検査が、たまたま、陰性だった可能性もあります。
(家族さんが溶連菌感染症なので、溶連菌感染症の可能性は十分ありますので)
追加で、血液検査をして、ウイルス性感染で間違いのないことを確認して、インフルエンザ
感染症の加療だけを行い、溶連菌の加療は行いませんでした。
③インフルエンザ検査は他院で陰性だったけれども、お熱が高くてしんどい患者さん
すでに、インフルエンザ検査は済まされているので、溶連菌検査をさせて頂きました。
しかし、陰性。追加で、血液検査をさせて頂き、ウイルス性の感染、もしくは、マイコプラズマ
感染が疑われたので、(すでにインフルエンザウイルスは陰性なので)マイコプラズマ感染症と
考えて、加療を開始しました。
(当時は、まだ、マイコプラズマ検査を導入していませんでした)
他にも、いろいろな例がありますが、まずは、わかりやすい症例をあげてみました。
このように、お熱と症状を合わせて、まずは、疑わしいところから検査を進め
診断をつけてから、加療を行っています。
よくわからないけど、まずは、お薬を飲んでみましょう・・・・では、お熱のある患者さんは不安を感じる
ことが多く、当院では、できる限り、確定診断(きちんと診断をつける)や方向性を見極めることを
心掛けています。